部分矯正の診察室

「すきっ歯」を矯正治療で治すメリット・デメリット、費用や期間の比較


すきっ歯、詰め物で治す?矯正で治す?
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すきっ歯を治したいときは、歯科矯正だけでなく補綴治療(つめ物・かぶせ物)を選択することも可能です。実際『すき間を埋める』だけなら、どんな治療法でも実現することができます。
ではどの治療法が、自分にとってベストなのでしょうか?今回はすきっ歯の治療にかかる費用や期間、またメリット・デメリットの違いを紹介していきます。

すきっ歯の2つの治療法とは

すきっ歯とは、空隙歯列(くうげきしれつ)とも呼び、歯列内に空隙、つまりすき間がある歯です。治療の際は主に2つの治療法があり、症状によっては2つの治療法を組み合わせる場合もあります。
すきっ歯を治したい患者さんが医院に来たとしても、確実に矯正で治せるとは限らないですよね。
治せないというより、その人のお口や歯の状態によっては別の治療をした方がいい場合があるんだよね。だからウチでは、補綴の方が向いている場合は提携の専門医院を紹介することだってあるよ。
やっぱりその人の口元が綺麗になるベストな診断をしてあげることが大事だね。
なるほど。そうなると治療の方針だけでなくその人のライフスタイルも合わせて考える必要がありますね。
では、すきっ歯の2つの治療法、歯を動かす『歯科矯正』と、歯そのものに詰め物やかぶせ物をする『補綴(ほてつ)』では、どのような違いがあるのでしょうか?

すきっ歯の治療法その1 – 歯科矯正

矯正治療は、歯を動かして歯並びを変更することにより、すき間をなくします。
(例)全顎矯正、部分矯正、マウスピース矯正など
(当院の場合) 全顎矯正 部分矯正
装置費用 85万円~ 20万円~
治療期間(※) 2年前後 3、4か月~1年
 
舌側転移・空隙歯列の治療前後写真

すきっ歯を部分矯正で治療した症例(三橋矯正デンタルオフィスで治療)

※すきっ歯の治療は基本的には保険適用外のため自費診療です。費用は医院により異なります。
※矯正の治療期間は、実際に歯が動く矯正期間を指します。その後歯を固定するために2年前後の保定期間が入ります。

すきっ歯の治療法その2 – 補綴(ほてつ)

補綴治療は、詰め物やかぶせ物などの人工物ですき間を補います。
(例)ラミネートべニア、ダイレクトボンディング、コンポジットレジン、など すきっ歯の治療は、保険適用外のため自費診療です。治療の内容や費用は、プラスチックかセラミックかにより大きく変わります。
プラスチックは削る量が比較的少なく済みますが、プラスチックの変色が1年前後で始まり、耐久年数も5年程度が目安です。
セラミックの場合は、プラスチックよりも削る量が増えるものの、耐久年数も数十年程度が目安となります。
(当院提携医院の場合) セラミック プラスチック
費用 2本で40万円前後 数万円
期間 通院回数2~4回程度 最短1回~
すきっ歯を補綴で治療した症例(ノブデンタルオフィス)

すきっ歯を補綴で治療した症例(ノブデンタルオフィスで治療)

2つの治療法のどちらがいいかは、実際にお口を診て診断するんですよね。
そうだね。すきっ歯だけでなく、お口全体の様子によって、適した治療法が違うからね。いくつか例を挙げながら簡単に紹介しよう。

すきっ歯×矯正治療の向き・不向き

歯の位置的異常があるすきっ歯

歯の生える位置やねじれ等に異常がある場合のすきっ歯は、矯正治療が向いています。矯正治療では、歯の位置や向きを変えることができるので、すきっ歯の原因を直接的に治します。
逆に、歯の位置的異常がある状態のすきっ歯を補綴で治療する場合は、歯を大きく削らなくてはいけない場合があるので注意が必要です。
舌側転移・空隙歯列の治療前後写真

部分矯正ですきっ歯を治療した症例(三橋デンタルオフィスで治療)

すきっ歯×補綴治療の向き・不向き

補綴治療の特徴は、歯を削り、上にかぶせ物をする点です。かぶせ物をするので、大きさや形を変更したり、色を指定したりできます。

歯の位置的異常がない場合

たとえば歯が極端に小さいなど、歯に位置的異常がないすきっ歯の場合、補綴治療により歯を大きくすることで、すきっ歯を治療します。

上下の前歯がしっかりと当たりがあり咬み合っている場合

前歯を軽くカチカチと噛んだ時、理想的なのは、上前歯4本に下の歯が強く当たっていない状態です。しかし中には上前歯4本に下の歯がしっかりと当たってしまう方がいます。もしこの状態で上のすきっ歯を矯正で治してしまうと、前歯の当たりがより強くなってしまいます。不正咬合はお口の健康を悪化させたり、全身の不定愁訴につながったりするため、そのような治療はお勧めしません。
すきっ歯を補綴で治療した症例(ノブデンタルオフィス)

すきっ歯を補綴で治療した症例(ノブデンタルオフィスで治療)

矯正と補綴、両方の治療が向いている場合

稀ではありますが、症例によっては矯正で歯を動かしてから、補綴する場合もあります。

歯の位置的異常があり、なおかつ矮小歯がある場合

歯の位置的異常があり、なおかつ矮小歯(先天的に小さな歯がある場合)は、矯正で歯を動かして矮小歯にかぶせ物をする場合があります。
すきっ歯・部分矯正治療前後写真

すきっ歯を矯正と補綴で治療した症例(三橋デンタルオフィスで治療)

お口の状態によって、治療プランはさまざまですね。部分矯正の医師としては、部分矯正でどこまで治療できるかが気になります。
では、部分矯正のメリット・デメリットを考えてみよう。

すきっ歯を部分矯正で治療する場合のポイント

治療のメリット

一番のメリットは、ご自身の歯を大きく削ることなく治療ができる点です。 比較的目立つ前歯の位置や向きを変える治療となりますが、全顎矯正と比べて費用も期間も約半分以下で治療ができます。

治療のデメリット

全顎矯正ではできるのに、部分矯正ではできないことがある点で注意が必要です。
たとえば全顎矯正では、すべての歯を動かしますので、歯を左右的・前後的・上下的に動かすことが可能です。しかし部分矯正では主に前歯4本の歯だけを動かしますので、歯の移動は左右的・前後的な動きが主となります。(※)上下的移動は基本的にできません。また、前歯4本以外の歯を部分矯正で対応するかは医院の方針により異なります。
すきっ歯の仕上がりがどのようになるかを、治療前にしっかりと確認しておくことが重要です。
※歯の前後的移動については、上下の歯の咬合に余裕ある場合に限ります。

治療の適応について

このページで紹介した症例は、すきっ歯の症例の一部にすぎません。お口の状態は一人ひとり異なり、向いている治療法もお一人おひとり異なります。
実際に部分矯正での治療が可能かどうかは、お口全体を見て歯科医師や矯正医が判断します。
ご自身のすきっ歯にはどんな治療法が合っているのか気になる方は、日頃通っている歯科医院や矯正歯科の初診で診てもらうとよいでしょう。
最後に、すきっ歯を治さずに放置すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
すきっ歯は病気とはいえないけど、患者さんのQOL(生活の質)に影響する要素があるので紹介します。

すきっ歯を治療せず、放置してしまうデメリットとは

虫歯や歯周病のリスク

歯と歯のすき間には、食べ物が詰まりやすくなる、磨き残しができやすい、等のリスクがあり、虫歯や歯周病になる確率が高まります。

発音への影響

すき間の位置によっては、発音の際に息が漏れるため、とくに「さ行」や「た行」の滑舌が悪くなる場合があります。

周囲の歯が乱れる

歯列内にすき間があることで、長期的にみると、隣の歯が傾いてくる、上下向かい側の歯が出てくる場合があります。結果としてかみ合わせや顎がずれる場合があります。

舌癖によるすき間拡大

中にはすきっ歯が気になり、舌で触る習慣(舌癖・ぜつへき)がある方がいます。その場合、舌癖によりすきっ歯が拡大する場合があります。永久歯が生えそろった頃(目安は中学卒業時)と比べて、すき間が大きくなっていないかチェックしてみるとよいでしょう。

まとめ

すきっ歯の治療法には、矯正と補綴の2種類があること、お口の状態によってそれぞれの治療法には向き・不向きがあることなどに触れてきました。

どちらも自費診療になるので、気軽に治療をスタートしづらい方も多いかもしれません。その場合は、矯正歯科の初診を気軽に受けてみてはいかがでしょうか。

初診だけでしたら、(医院にもよりますが)、当院の場合30分前後・3千円(税別)で終わり、お一人おひとりに合った治療プランがわかります。

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